無意識日記々

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『そんなはず』なかった? いやいやあったよGoldの歌詞!

『Gold ~また逢う日まで~』の歌詞の印象を曲中で変えてくるのがここのパート。

『"Toute le monde est fous de toi"

 「世界中が君に夢中」

 たしかそんな意味だったはず

 たしかそんなはず

 たしかそんな、そんなはず』

まず「まさかこんなとこでフランス語!?」という驚き。それまで英語ですらNoだBGMだGoldだという小学生でもわかるかもしれない単語しか出てこなかった日本語中心の歌詞の中にそういうの全部飛び越えてフランス語。ダイヤモンドもアンドロメダもカタカナで日本語発音だったしな。

しかし宇多田リスナーなら『ぼくはくま』や『Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜』や『俺の彼女』などで「フランス語で歌う宇多田ヒカル」にはそれなりに慣れ親しんでいる。唐突なフランス語に驚きはすれど戸惑うことはあんまりなかったろう。

しかし次は流石に戸惑ったはずだ。そう、そのはずだ!(笑)

『たしかそんな意味だったはず』

完ッ璧な発音で一節歌い上げておいて意味の把握があやふやだとぉっ!? これには唖然とするしかなかったわ。何せ今や令和の世、スマホに看板見せれば翻訳してくれる時代に、自分で口遊んだ一節の意味が不安?? そんなことある?? 手許でググればすぐわなるのに?? そもそも、こんな独り言の呟きみたいな歌詞アリなの??

この曲の初聴時、『おととい来やがれ』のインパクトの時点で既にかなり降参してたのだけど、もうこの『そんなはず』は死体に鞭打たれたというか、弱り目に祟り目というか(おい今第一変換候補が「弱り目に髙瀬譜希子」だったぞどういうことだっ!?)泣きっ面に蜂というか、兎に角これでトドメを刺された感が非常に強かった。また「世界中が君に夢中」って既存の自分の曲のタイトルを絡めてきてるとこも利いてる。『Rule』が多国籍語の歌詞で構成されてたからフランス語が流れてきた後にフィットしやすいのよね連想ゲームとして。もしかしたらデモ段階ではここの歌詞が『Rule』には登場していて、で『40代はいろいろ♫』では結局そこは歌われなかったから今度は別の曲に組み込んでみましたというまるで『光』と『嘘みたいなI Love You』みたいな関係なのかなと一瞬思うか思わないかのタイミングで『たしか、そんなはず」っていうあやふやフレーズが登場!? さっきまで『消えないよ』だの『勝負にならぬ』だのと満々だった自信はどこへ行った!?

しかし、これがつとに効果的でな。ここを通過した後に『You are gold』のパートを経て今一度

『いつか起きるかもしれない悲劇を

 捕まえて言う「おととい来やがれ」』

の歌詞が歌われるんだけど、ここ、同じ歌詞同じメロディなのにこちらの受け取る印象がさっきとちょっと違う! 『そんなはず』を通ることで『かもしれない』のニュアンスが変わったんだ…いやぁ、この構成力に触れたときには、何が何だかわからなかったわ。なぜそんな風に印象が変わったのかの具体的な話の続きは…きっとお盆明けだコレ!(…明けて覚えてたらね(汗))