無意識日記々

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『ただの昼寝』でなくなるように


全くどうでもいいことだが、iOSで「かんがえる」と入力して提示される顔の絵文字がこちら。


🤔🧐[emoji:340][emoji:323]


表示される環境とされない環境があるかと思うので画像を添付できたら後でしておくけれどもとにかく、どうみても右2つは「落ち込んでいる」顔にしか視えない。誰が日本語入力を仕切っているのか知らないが、なるほどこんなことが罷り通る言語圏なら衰退するわなというのが率直な感想だ。私が生まれてからインターネットが普及してもずっとそうなのだが(つまり半世紀近く)、この言語圏ではアイデアや発想といったものの価値がまるで軽んじられている。ただ買い叩かれているのではなく、積極的に潰されにかかっているのだ。新しいアイデアを生む人間を虐げてここまで来たのだからそりゃ衰退するわな。この絵文字は象徴的だ。「考え込む」ことがネガティブなことだと捉えられているのだから。こちらからすると、アイデアを産み出す過程がそこに在るというのは最も前向きな作業の一つで、美味しいご飯を食べるためには調理の過程が必要なのと全く変わらない。その中で味見を繰り返して理想のテイストに辿り着くプロセスと、試行錯誤や思考実験を繰り返して答えを見出すプロセスに何の違いがあるというのか。ここを改善しないとどうしようもないけれど、どうか若い世代では少しでもマシになってますように…って、いや、あたしらの世代が頑張らなかったからこんなことになってんのね…誠に申し訳ないです。


ヒカルさんは、その「考える」という前向きな仕事が外側からどう視えているかについて、こんな風に綴っている。



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・Yamamoto Shoichiさんの質問

ナーバスになっていると感じるときにどのようなことをされてバランスを戻しますか?


・ヒカルパイセンの回答

毎日少しでもいいから、目を閉じて、何も考えずに何もせずにただじっとする時間を設けるぜ。
作詞作曲に行き詰まった時もこれがかなり有効で、後でアイディアが湧くことがあるから俺としてはこれも大事な仕事だと思ってるんだが、ベッドでやってるから、端から見たらただの昼寝だぜ。



https://sp.universal-music.co.jp/utadahikaru/paisen/



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『俺としてはこれも大事な仕事だと思ってるんだが、ベッドでやってるから、端から見たらただの昼寝だぜ。』── 『ただの昼寝』。こんな風に言うしかないのよね。考え込んでる姿というのが、周りからみたら思い悩んで困ってるという風にしか捉えられない。あーでもないこーでもないという試行錯誤のプロセスの価値がわかってない。料理人が味見して調味料を足したりしてる時にそれがネガティブな行為だと思う人がまず少ないのは、お料理で味見するのは普通のプロセスだとそれなりに認知されているから。それを見て「あの人なんか困ってはるわ」と言う人は、そもそもお料理というものに馴染みがないのだろう。普通そうやって味の調整をするのよ。


確かに、ヒカルパイセンの場合は更に高度な「寝転がって何も考えない時間を設ける」なので、理解を得るのはもっと困難な訳だが、こちらの感触から言わせてもらうと、思考には意識的な思考と無意識的な思考の二種類があって、それらが協働することもあれば、互いに独立して思考させた方がいいこともあるので、ヒカルさんはその「無意識的な思考」に集中することを「何も考えない時間」と言ってるような気がするのだけれど、こうやって寝転んでる時って、ただ寝てる時より明らかに腹が減ると思うのよね。なので、まぁこの回答はもう8年近くも前のものなので今はちょっと言い方が変わってるかもしれないけれど、宇多田ヒカルですら自分の仕事を卑下しないといけない状況というのは甚だ芳しくない。「考える」ことの前向きさを、日々もっとアピールしていきたいでござるよ。



……いやね、皆さんきっとチケットのことで気もそぞろだろうから、全然関係ない話題にしとこうかなと思ってさ(^^;