無意識日記々

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約束と誓いの違いは

『約束』と『誓い』はどう違うのか。アルバム『初恋』で『誓い』を聴いてかなり多くの人が抱いた疑問だろう。

歌詞の中ではっきりと『約束はもうしない』『受け売りなんかじゃない 約束でもない 誓いだよ』と言っているのだ。約束と違いは別物として扱われている。故に、この疑問からは逃れる術はない。この歌を聴かなければそんな疑問からは自由になれるが私ゃこの歌に触れられない人生はイヤなので。

しかし、これはかなり難しい。例えば英和辞典を引くと“promise”の項には「約束、誓い」とある。一般的な単語として厳密な違いをこの2つに求めるのは無理な話なのだろう。あクマで、この歌の中での区別ということになる。

私なんかの印象では、約束は対等な者同士、誓いは自分より上位の何物かに対して告げる決意なり取り決めなりなのではないかと考えている。父親が息子に対して「男と男の約束だぞ」と言った日は、親と子という庇護保護の関係から一旦脱して息子と父が対等な関係を一部でも築けるようになった記念日である。「約束」は、その“対等”を強調する中心にある。

「誓い」の方は、まず「神に誓って」という言い回しがある。これが「神と約束して」だったらなんだお前は他の地の神様かそれとも悪魔王か何かかという感じになってくる。他にも誓うのは誇りとか祖国とか旗とか兎に角自分が「上に掲げるもの」に対してだ。それが「誓い」なのだろう。

結婚式で「あなたは伴侶を永遠に愛することを誓いますか?」と神父か牧師が訊く時、誓う相手は誰なのか。伴侶じゃなくて神様だよね。ここを踏まえた上でもう一度『誓い』を聴いてみると『僕たちの誓い日和』という一節が気に止まる。この歌、相手しか見ていない、出てこない、んだよね。ぶっちゃけ、神様が入る余地が無い。これでどうやって、何に対して何を誓うのか。

…といった話をこれからしていきたいんだが、果たして上手く纏まってくれますやら。今回はいつもと違ってちゃんと話を着地させると誓います…って言いたかったんだけど、きっとダメだろうな(笑)。私は嘘吐きには成りきれないのでした。