無意識日記々

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Too Proud to leave it ?

『Too Proud』は何につけても変わり種な曲で、アルバム『初恋』においてはヒカル随一のお気に入りの曲で、オリジナルはイギリス人ラッパーを大胆過ぎる程にフィーチャーしておきながら、アルバムからのシングルカットとしてツアー開始記念リリースされた時にはL1 REMIXとして中国ベトナム韓国の三カ国からラッパーを招き新しいリミックスに生まれ変わっていたりもした。ならばツアーでは一体誰がゲストでラップするのかとすわいきり立ったが蓋を開けてみればヒカル自ら日本語でラップパートを埋め尽くすという目まぐるしい展開をみせる。ここまで翻弄し翻弄された楽曲も過去22年の中でもそうそうないのではないか。10に及ぶリミックスを公式リリースした『Exodus '04』とかもありましたけど。

結局、なんだかんだでヒカルの日本語ラップがいちばん好評な印象が強いのは私が日本語の感想くらいしか検索していないからかもしれないが、お気に入りの曲を隅から隅まで自分の色に染め上げたのが最終形態だとすると、なんだろう、折角以前よりミュージシャンたちとの横の繋がりがぐんと増えて色んなサウンドが聴けるようになってきてるのに結局宇多田ヒカルオンリーロンリーなサウンドに着地すんのかいやリスナーとしてはそれで全然いいんだけど少し妙ちきりんに釈然とせず。

そのあと『Face My Fears』でも大胆にプロデューサー陣によるインプットがフィーチャーされてて、『Time』や『誰にも言わない』も共同プロデュースでやはり昔より他者からのインプットが多いよねという流れが踏襲されているのが最近なのだけど、この『Too Proud』の流れを思い起こすとこの一連のアルバム未収録な新曲群はアルバムに収録される暁にはヒカルの単独プロデュース・ヴァージョンで塗り固められているのではないかという予想もしたくなってくる。前も述べた通りそれはそれで嬉しいので何の問題もないのですが。

2ndアルバムのタイトルトラック『DISTANCE』から生まれた『FINAL DISTANCE』が3rdアルバム『DEEP RIVER』に収録されたような事は、『Too Proud L1REMIX』や『Too Proud 日本語ラップ(仮)』には起こらないとみている。次のアルバムに収録される訳では無いだろう、ってことね。だけれども、ああいうどさくさに紛れて色んな実験をしてくる精神は嫌いじゃないので、次のアルバムではCDオンリーボーナスとして『Too Proud』の二つのアナザー・ラップ・リミックスを収録しちゃうのはちょっと面白いかなと思ったりも。配信限定だからね今のところ。あでも日本語ラップをスタジオ新録するとしたらちょっとデカいかな? まぁそういうのにも期待しておきましょうぜ。