無意識日記々

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曲構成を映像と結びつけて印象づける

メロディの安心感と対比されるのは、サウンドの現代性と歌詞の進化、そして何より独特の曲構成である。特にこの2年のシングル曲はどれもその点が凄い。

ただ、最もぶっ飛んでいる『誰にも言わない』が最もスルーされている為、その点がクローズアップされづらい感はあるのかなと。特にこの曲は、歌詞は扇情的だがメロディが非常に落ち着いていて優しく押し出しが弱い。サラッと聴いているとサラッと流れていってしまう。その上、曲構成を印象づけるのに重要な役割を果たせるミュージック・ビデオが存在しない。これが結構大きい。

『Time』などは、エディット・バージョンとはいえ曲構成と編集がしっかりと対応しているから、ああここがヒカルの無限増殖する場面だなとか連想がはたらきやすい。『One Last Kiss』なんかは2度のブレイクであからさまに画面が止まる。音と絵が記憶の中で結び付いている。

もし『誰にも言わない』にMVがあったら、人気は変わっていたのか。曲自体は変わらないのでドラスティックなものではないかもしれないが、曲としての印象には変化があったかもしれないね。

『君に夢中』に関しては、現行多くの人がドラマ映像と共に聴いているので「ドラマのあの場面のあの台詞とこの歌詞」みたいな組み合わせで記憶に残っている筈だ。なので、同曲のミュージック・ビデオはそれをどう上書きしていくかという話になってくる。新井順子プロデューサーの宇多田ヒカルガチ勢ぶりをみれば、ドラマ制作スタッフがMVの制作にも名乗りを上げるかもしれない。ヒカルを神と崇める吉高由里子のノリからしたら、ドラマ出演陣がキャストとして参加してくれるかもしれない。これは決して荒唐無稽ではなく、過去にヒカルも2004年に『誰かの願いが叶うころ』のミュージック・ビデオを制作した際タイアップ相手である「CASSHERN」の出演者の皆さんが同曲のミュージック・ビデオに参加してくれていた。勿論映画とMVの監督が同一人物というのが大きかった訳だが、兎も角有り得ない話ではないのである。あたしとしては佐久間由衣あたりを主役にしてスピンオフドラマ仕立てで迫るのもいいのではと妄想したりもするが、まぁいちばんセンセーショナルなのはヒカルが御芝居することですかね。『Can You Keep A Secret?』なんかを思い出せば、うん、できるできる。(楽観的)

まぁロンドンに居るヒカルがあれやこれやというのは難しいが、『君に夢中』のフルコーラスも恐らく、『誰にも言わない』ほどではないにしても、『Time』や『PINK BLOOD』並の独特の曲構成を持っている筈で、それをスピンオフドラマ仕立てで演出してくれたら皆の頭にその曲構成の妙が残りやすいだろう、という話でしたとさ。いやMVが作られるかどうかすら不明なのに随分先走りましたな!