無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

あなたには まだ『この部屋』に 居て欲しい

またツイート。今度は19時…ってことはロンドンは朝10時か。

@utadahikaru : 最近ウクライナ侵攻のニュースばかり追ってて日本のニュースチェックしてなかったから、さっき東京のお父さんに電話したら東北の地震のことを聞いてやっと知った…被害が大きくないことと心の平穏が早く戻ることを祈ってます。みんな大丈夫…?

posted at 19:03:10

今朝のタイミングでツイートして地震に触れてなかったから多分そうなんだろうなとは思ったけれど、そうか、照實さんとの電話で知ったのね。お元気でいらしてるかな。都内なのね。

昨夜の地震で亡くなられた方や怪我された方もいらっしゃって、避難に停電に断水にとかなりの影響が出ている模様だが、やはり海外でニュースとして取り上げられるには死者数が少ないということか。津波の高さが9mにも達したという11年前のと較べられてもなぁという気がするが、限られた放送時間や文字数の中での取捨選択は仕方ない。だが本来、人の生死は数の話ではない。“数える”行為というのは同じモノ同士でしか成り立たないからだ。親しい人たちにとって、生まれてきた人も亡くなられた人も、何か誰かと代えが利く訳ではない。ただ、無関係な人たちからすれば、それは「人/ヒト」という概念・抽象に基づいて数えられる何かと見做される。それは真実ではないにせよ、我々はそうやって生きている。

人をただの数、“頭数”としか見ない究極が戦争だ。だからずっと戦争のことを考えていると頭がイカレていくのでなるべく私は触れないようにはしているのだが本当は言いたいことが10万字や20万字では収まらない。

そしてヒカルは『最近ウクライナ侵攻のニュースばかり追って』いるのだと。心身の健康によくないぞ。

イギリスはNATOの主要国だから切実さの質が日本列島在住の人間とは少し違うのかもしれない。世界大戦への恐怖というか。日本は日本で隣国なのでまた別の恐怖があり、それで皆の注目を集めている側面もあるのだけど、日本語で読める言論のまぁアレなことといったら以下略である。

ヒカルは、なので、日本語でウクライナ情勢のニュースは読んでいない/聞いていないのだろう。国や言語が異なれば、報じられる内容やトーンも変わる。それこそ、当然過ぎることなのだが、昨夜の地震のニュースは日本語圏では今朝のトップニュースだったが、イギリスの、例えばBBCでは一言も触れなかったのかもしれない。それぞれの状況に従ってそれぞれのニュースの価値は推し量られる。日本列島で海外のニュースを放送するときに日本人の安否を中心に放送するのは、幾ら冷たくみえようがそういうことだ。

そしてそれについてヒカルは今回、日本語でツイートした。ここに奇妙な捩れが生じている。地震についても触れたかった為だろうが、ウクライナ情勢について踏み込んだ発言をしなかったのは、私から見て賢明に思えた。先述の通り、日本語で触れれるウクライナ情勢と英語で触れれるウクライナ情勢はかなり別物なのだ。持つ感想以前に、報じられる内容が、それぞれに異なる価値観に基づいているのだから。

でも、ヒカルも、言いたいこといっぱいあるだろうなぁ。息子くんとこのテーマについてどう語り合っているのかな。まだ6歳なのでショッキングな映像は見せないようにしているかもしれないし、漂ってくる知的な感じだと、既に国際情勢に関心があるかもしれないし。今回のインタビューで「最近は日本語を使う機会は息子と話すときくらいだった」という旨のことをヒカルは言っていたが、日本語でニュースについて語るのなら見せるニュースも日本語にしてるのかな。でも、そうね、まだ6歳、彼がニュース自体を観てない事を祈ろう。楽しいこども向け番組が山ほどあるだろうからね。

『戦争の始まりを知らせる放送も

 アクティヴィストの足音も届かない

 この部屋にいたい もう少し』

この『あなた』の歌詞が、もうちょっとの間だけでも、有効であって欲しいなと、儚く祈った私でした。