無意識日記々

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チャートに放り込んでみたい

ちょっと先のことを夢想する。前回例に出したYOASOBIの「アイドル」なんかが顕著な例だが、今のチャート上位曲は競い合うようにギミック満載で兎に角情報量が多い。作り手側がボカロ世代からYouTube動画、そしてショート動画世代へと順調に遷移してるってことか。YouTube動画ってのは地上波テレビなどに較べて元々倍速かってくらいに矢継ぎ早で密な構成と編集をとっていてそれを観る側が更に倍速再生で速度上げて観たりするので、この邦楽のトレンドってのはリスナーの性質に合わせた順調な進化(環境に適応していってるという本来の意味でね)だと言えるのかもしれない。まぁ主にOfficial髭男dismのブレインの人のせいな気もしますが。ほんとアタマよさそうなのよね。どんだけ音楽的ギミックを操れるのやら。それはさておき。

んで、そんな空気感の中、半月後には宇多田ヒカルの『Gold ~また逢う日まで~』がチャートに登場するというのなら、その異質さが際立つだろうなぁと思う。勿論他にも静かな曲はあるんだろうけど、作曲の世代が違うから脈打つリズム自体が、時間の流れ方自体が全く異なるこの曲が流れてきたらそれだけで癒されるだろうな。

よくよく聴いたら現時点での80秒でも既に音楽レシピマニアを唸らせるようなアレンジがところどころに施されてるようなんだけど、そこはあんまり要点ではなく、第一印象として少ない情報量ならではの癒しをチャートに与えてくれるとしたら、『BADモード』アルバムに溢れた今様世代をも上回る情報量の膨大さと象徴的な対比を描くだろうな。基本的にピアノの弾き語りスタイルだからね。ヒカルがピアノ弾いてるかどうかは別にしてね。

『のぅうぉうお のぅうぉうお』の部分も、もっと凝った音韻の歌詞を当て嵌められたろうに、ただゆ

ったり歌うだけにしてあるし、ヒカルが「キングダム」シリーズという、邦画で今いちばん勢いのある?作品に携わるということで、チャートの中でどう響くかというのも頭の片隅にはあったかもしれない。その結果が「チャートの空気感は全く気にしない」このサウンドになっているのだとしたらなかなかに痛快ではあるのだけど、兎にも角にも歌が上手い。結局それで寄り切っていくのだからこの人は横綱というか何というか。曲の含む「間合い」で聴かせるとか、演歌世代、昭和世代の発想よねぇ。

なのでこれ、40代以上の、昭和を知ってる世代に受ける曲だと思うんだけど、そこくらいになってくると今度はあんまり音楽のサブスクに入ってない世代になってくる?? だとすればミスマッチが起こるなぁ。CD出したら案外売れたりして、と考えるのは欲目かな。

一方、10代20代の若いリスナーにはどう響くのか、そこんとこも勿論知りたい。流石にこれだけ年齢が離れてると、想像がつかなくなってくるので。

…なぁんていう妄想の数々も、フルコーラスで聴いたら軒並み漏れなくすっ飛んじゃうかもしれませんが! 静かなピアノバラードの小品で終わっても全然いいと思うんだけどヒカル直々に『大音量で』って言ってるんだもんな。うん、公開・解禁まであと2週間となりました☆