無意識日記々

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GBH

サプライジング・リプリーズ

「んなこた言われんでも分かっとるわい」とツッコまれるのを承知で書くが、GBHのサビ後半にイントロのSynergyVocalsが再登場する事にお気付きだろうか。でんぐり返っても私からは、イヤ誰からもこんな発想は出てこないだろうという編曲なのだココ。悔しい事…

苦も1ッない様で。

"絵に描いた様な情景美"とでも云おうか『甘いお菓子消えた』という表現には具象を出発点にしながら幻想的な感触を聴き手にスッと入り込ませる絶妙の導入部と思うのだが、さてソレが物語上どんな暗喩を担っているのかイマイチ判然としない。図としてはワタア…

A.恋の歌

笑顔の自分を見て『私』は何を思っているのか―CWTCが『AlreadyLovin'You/君に恋してる』歌であるならGBHの"私"が口遊む『恋の歌』は前エントリを踏まえると若々しく瑞々しいものかなと想像が膨らむが、そうするとコチラの英詞の邦訳は若干悩ましいものとなる…

"ン"の歌い方、光の曲で有名なのはFLの『今はまだ悲しいラヴソ"ン"グ』の"ン"だろうか(表記はLoveSong?)。何が特徴的かといえば、実際は『ラヴソオォ(ン)グ』と歌っていて当該の音符には"ン"が載ってない所。似た様な例で先般GBHの『楽園』を『ラクエェン』…

BlotInThePlot?

巧まれ過ぎて全く隙のない音韻構造を持つ感のあるGBH、あクマで推測だが、それでもやはり「ココは無理だったのね」と思わせる箇所がある。『白いワンピースが汚れようが』の"ヨゴレ"の部分だ。初めのヨの所は"甘い","寂し","焼けた"に合わせるならア段の音で…

"期待"を導くスキル

残り香,残像,残響,呼び方は何れでもイイが、GBHの伏線の設えは未々ある。どうしても物語上『kissme』は2番と3番に配す必要がある。歌われるのは1度でも3度でもなく、2度だ。然し、ならば1番をloveme、2番をkissmeと1度ずつ歌った場合3番の『そしてもう一度』…

役割の立体交差

エ段からイ段への変化を担う『baby』にはもう1ッ役割があって、ソレは「楽曲の終結を予告する」役だ。ルール通りエの音をサビメロの(3回目の)リピートの中で使うと勢いがつきすぎてまだリフレインするかと聴き手が身構えてしまう所を予めココで優しくブレー…

伏線化路線職人

なるべくメロディの魅力は損なわず、ソレでも楽曲に構成美を与えたい場合は歌詞の変化で伏線を張るのが光の作詞術の特徴だ。件の"1番Aメロの語尾をエ段にする"のはサビへの、『廻る』は『OnlyYou』への各々伏線になっていた訳だがGBHには更に高度な伏線があ…

註:ンとウは相似音

エの段で攻めるサビメロから更に盛り上がるのがえも言われぬメロディを湛えた『おお万物が』のパートだが、ココにも勿論音韻構成上の工夫が施されている。ラス前のこのパートに至る迄光は文の語尾に一切ウの段の音を使っておらず(途中の"映る"位か)、ココに…

語尾と構成

兎に角エ段に強勢を置くサビに呼応させて、1番のAメロでは語尾をsummerday,楽園とエ段で揃えて1番全体を「AメロとサビでBメロを挟み込む」構成で聴かせている(コレが意図的である事はdayを"デイ"でなく"デ〜ィ"、楽園を"エン〜"でなく"エ〜ン"と歌ってる事か…

GBHをカラオケで歌う

気になる詞の載せ方といえば『何も知らずにはしゃいで・たあの頃へは』の切り方、デビュー当時の詞の扱いを思い出しつつ光らしくて歌い難いなと皆が感じる所だが、ココは別に「でた・あの」でもいい筈なのに敢えてこうしたのは何故なのか。つい見逃しがちだ…

目、見る目

何通りの視点を詞に持ち込んでいるのかと毎回光の手際に驚かされているが、今回は更にソコから1歩踏み込んでいて目が眩む様だ。二曲とりあげよう。君,あなた,私,me,ダーリンがソレゾレ誰なのかを考えるだけでもお腹一杯なGBH、冒頭の男の子は誰でソレを伝え…

君の名は

「知る」という言葉に何となく引っかかる『ある日君の名を知った』の1節だが、名付けの意味に立ち戻って考える。通常、乳幼児期の我々にとって世界は1ッの統合体であり何の境もないのだが、何か部分に名を付け世界から"分かつ"事で対象を認識、即ち特別視を…

線と環

ループする生命という光伝統の詞世界観にそぐう様に愛セムの詞を書いた事を光は"キリスト教より仏教"と表現していたが、光はキリスト教的世界観に対して(総てではないにせよ)反発的な事が多い。このGBHも一見「楽園で男女が知を得る物語」即ちエデンのエピソ…

WhatIs"Happiness"?

「今」への圧倒的な肯定感がGBHの1番のテーマだ。恋愛をモチーフに普遍を語るのは光の必殺技だが、『あの頃へ戻りたいね』と常套句を紡ぎながら『もう一度KissMe』と呟くのは愛セムを『生まれ変わってもあなたを愛したい』で締め括るのと同形であり、言い方…

結局同じコトするのね

スルリと飲み込める情景描写の歌詞なのにサウンドを伴うと言い知れない普遍的な背景が立ち現れてくる。見える景色は宮崎駿がどの作品でも描きたがる"岸辺(shore/shallows)"であり広がる青空や大海原に手が届くかどうかは解らない。海でなく河の場合は"土手(b…

パフュームですッ!

のっけからGBHを歌い始めた時は正直吃驚した。スタートもスタート、初日の1曲目といえば総ての参加者が不安と緊張に苛まれる瞬間だというのに1度もナマで唄った事のない歌でくるとは挑戦者魂の極みといえる。キチンとフェイク無しでこの曲を唄い切った事は絶…

アンコンシャス(ネス) パラダイス

無意識の楽園、というフレーズにピンとこなくてココ迄来ている。過去に光が歌詞で無意識という言葉を使った事があるかというと記憶にないが、無意識日記としては気にならない筈はなく、言葉の意味を考えれば"ソレが楽園と知らずに居る状態"の事になりそうだ…

イメージを退けない詞

ノスタルジーやフューチャリ(スティシ)ティが音楽で表現される時、どこか特定の時点/時代が指されている訳ではない。古典の中の郷愁は古臭くて聴いてられない、なんて寸評は寡聞にして聞かないし、30年前のSFのサントラは今聴いてもやっぱり"未来的"である。…

そんなコトよりコジマサン

宇多田ヒカルが超カワイイんですよ」Byバカリズム)という感じで全方位から大絶賛を受けているGBHPVだが、当の光本人は『な、泣かせるつもりじゃなかったんだよ〜!』とスットボケたコトを言っている。ヲイヲイ、このPVを見て感動するなという方が無理だろう。…

PVによるKO率10割

ラストJpopソングGBHに相応しい、恐らく現存するミュージックビデオの中でも抜きん出たPVだ。ラブリーなテンション自体には好き嫌いあるだろうが、ココ迄楽曲のコンセプトを隅々余す所なく理解して作られた映像を私は他に知らない。羅列し始めるとキリがない…

UTUBE開設&GBHPVキター!

来年以降生じるテンション落差が今から怖いが、殆どダメ押しという感じとタイミングで宇多田オフィシャルYoutubeが開設&GBHPVが解禁された―イヤ然しコレがもう口をポカンと開けて参ったというしかない過去最高に魅力的な仕上がりだ。ラフプランだけなら映画1…

影響と共感

データを詳細に取った訳ではないが、週末の光ツイートによる"コクトーツインズ/アットザドライブイン/ザマーズボルタ/メタリカ"のコンボは音楽ファン達に頗る評判上々の様で益々ネットでの光の立ち位置がより正確になっていってる風が窺われるのだが、さてそ…

PVの方向性

何度聴いてもノックアウトされるGBHだが、本当にタイアップはレコチョクのみなのだろうか。敢えてアルバムのイメージソングとしての立場を優先したのかもしれないがドラマアニメ映画等で使われないとは何とも勿体無い。『んな不満私が吹き飛ばしてやんよ!』…

CocteauTwinsのサウンド

枕として70'sプログレの話をしたが、スペイシャルなサウンドのルーツとしては80'sUKニューウェイヴとかも考慮に入れるべき所を筆者も詳しくないし光もコクトーツインズ位しか名を出していない為突っ込んだ話は出来ない。絵を描く様に音を配置する手法は共通…

プログレ話後編

例に出したバンド達はその幻想的な持ち味をある程度抑えて、或いは隠し味にする事で"セルアウト"に成功した訳だが、光の場合Passionで魅せつけたスペ(イ)シャルなサウンドの威力を殆ど損なう事なく本来のリズムとキャッチーな日本語メロディを融合させた。コ…

プログレ話前編

「パッションを感じさせる曲だな」、GBHを何度も聴いてその歌への情熱の迸りと勿論光の進化の象徴(スタジオVer,UU06,ITF10総て異なるのだから!)超名曲Passionを作った人だからこそ出せる超強烈なヴィジュアル喚起力に何度もそう呟いた。そもそも、70'sの超一…

でも超ヘビロテ中。名曲!

短文ながら良記事のロキノン、4曲の概要を書くもんだから今後妄想を繰り広げる楽しみが減ってしまった。だがそんな不服など吹き飛ばす充実を予感させる新曲群、どうやら最もキャッチーなのはGBHの模様だが、何だろう、何度聴いても本当に悲しい。疲れでも溜…

ネタバレフルスロットルで

『甘い』のヒトコトで歌が始まる事に決意を感じる。真っ直ぐな思いを痒い所に手が届く素直めなメロディと明快でありながらちゃんと血の通った言葉で伝える姿は宇多田ヒカルそのものだが、様々な過去曲の匂いが散見される集大成の色合い強い仕上がりは、故意…

リズムマジシャン健在

抜きん出たPopセンスを発揮しているGBH、早速オンエアも好調な模様だが、この曲のラジオフレンドリーな所以は明快なメロディラインの他にイヤホント久々に炸裂してる感アリアリのリズムトラックの存在を見逃す訳にはいくまい。ルート音も聞こえないベース(32…